ガクチカ(学生時代頑張ったこと)で悩む就活生は本当に多いと思います。
エピソードが弱い…
「なぜ」を繰り返してもしっくりこない…
文字数を削れない…
言ってしまえばこれらの状況は自己分析不足から起きていると思います。
しかし、そうも言ってられない。
じっくり自己分析をしている間に、選考の締め切りはどんどん過ぎていきます。
そこで今回は、ガクチカを書きながら面接対策まで済ませるという、私の個人的な方法を紹介します。
*原則として、自己分析やガクチカに決まった形や方法はありません。この記事を含め、何かを鵜呑みにせず自分のベストを探し続けてください。
この記事を読む前に、自分の強み(場所が変わっても成果に繋がる自分の行動指針)だけは準備してて欲しいです。
まだそれがないという人は、自己分析の記事を読み、取り組んでみてください。
また、当記事はESの書き方をすでに読んでいる前提のもと進めます。
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目次
そもそもガクチカとは

まず初めに、皆さんにお伝えしたい事があります。
ガクチカをありのまま書いても、残念ながら企業に評価されるとは限りません。
事実をつらつら述べるだけだと、それがたまたま企業に刺さるかどうかの戦いになってしまいます。
それこそまさに、エピソードの大小で勝負がついてしまうでしょう。
どうせなら狙って通過させたいですよね。
だから私は以下のように考えるようになり、勝率を上げました。
ガクチカは手段。
「会社でお金を生むことが出来るあなたを伝える」のが目的。
という考えです。
面接やESの通過率が悪い就活生は、ガクチカを伝える事が目的になっているという傾向にあります。
まず、この認識は抑えてください。
ガクチカのテーマを決めよう

まずは「テーマ」を決めましょう。
「エピソードを伝える」のではなく「○○な自分を伝える」というテーマを持つことで、ガクチカは一気に書きやすく、そして通りやすくなります。
このテーマを考えるにあたって重要だと私が考えるのは
- どんな自分を伝えるか
- どのエピソードで伝えるか
- それが企業でどう生きるか
の3つです。
どんな自分を伝えるか
ここではメインテーマとサブテーマに分けて考えます。
【メインテーマ】

メインテーマは、ESから面接まで前面に押し出して伝える自分。
言い換えれば強みのようなものです。
基本的にはこの一貫したテーマ(こういう考えや動きで成果を出せる自分)を伝える意識を持ちながらガクチカを書いていくことで、自分は書きたいけど書く必要がない文章に気づくことが出来ます。
ここで気を付けたいのは1つだけ。
その強みが本当に成果に繋がるかどうかです。
例えば、「人を笑顔に出来る」「周りを盛り上げる」だけだと、直接成果には繋がらなそうですよね。
エピソードを通してその自分(メインテーマ)が成果に繋がった事を伝えるのはもちろん、入社後も成果に繋がるイメージを持って考えてみてください。
【サブテーマ】

サブテーマは、メインにしなくても文章を通して伝えられる強み。
たとえば、リーダーシップや協調性、行動力や主体性です。
「リーダーシップ」「協調性」「行動力」「主体性」をメインテーマに置くこと自体は問題ではありません。
しかし、上記のようなテーマは多くの学生が訴求してくる事が容易に想定できます。
個人的には大勢の中で戦うよりは希少性の高さで勝負した方がより個性的に見えると考えているため、被りそうな能力はエピソードを通して伝えていました。
「コミュ力がある」ってのをわざわざ言わず、面接での会話を通して伝えるのと同じです。
上記の強みに自信がある!これで勝負したい!って人は、それを「○○な行動力」のように定義してメインにしつつ、その他をサブテーマと置いてみてください。
どのエピソードで伝えるか
メインテーマが決まったら、エピソードを選んでいきます。
ここで大切なのは「テーマが伝わるエピソードを選ぶこと」です。
メインテーマは人によると思うので、サブテーマを例に挙げましょう。
リーダーシップ・・役割としてはリーダーじゃなくても良いので、「自分の思うリーダーシップ」の元、他者を巻き込み行動出来た事。「リーダーシップの定義」は人によって違うので、自分の思う定義を明確に準備しておくと面接の時に楽。
協調性・・・・・・なるべく大勢で取り組んだことや、人を巻き込んだエピソード。これに関しては、逆に「この書き方したら協調性なさそうにみられるかな」と考えた方が無難。
行動力・・・・・・定義は人による。これをメインテーマに置く場合は、圧倒的OB訪問など選考においても行動力を見せなければ、体育会などに負けてしまう。
主体性・・・・・・ガクチカを始めた動機や、困難に取り組むきっかけ等で表れる、受け身(誘われた、頼まれた等)ではなく自らアクションした部分。
上記をなるべく拾えるエピソード(バイトでのあの出来事、サークルでのあの出来事)や表現を選ぶと良いかもしれません。
メインテーマの他にもこれだけ盛り込めるなら、バイトやサークルのエピソードでも勝てる気がしてきませんか?
それが企業でどう生きるか

メインテーマに関しては、それが企業でどう生きるか(企業にどんなメリットがあるか)まで準備できていると、面接の時非常に楽です。
企業でのビジネス(部署間の関係性や、職位、職種毎の働き方)を入念にリサーチすることで、再現性(入社後も明確に成果を出せる)のある自分を表現することが出来ます。
ESの段階で入社後も使える自分をイメージできていれば、面接でもそれを意識した話し方が出来ます。
個別企業ごとの特徴を洗うことが出来ずとも、営業やマーケティングなどのメジャーな職種、コンサルやデベロッパー、広告などの特殊な業種を抑えるだけで大きく違います。
ガクチカを書いていこう
では、いよいよガクチカを書いていきます。
ガクチカのフレームワークはこの世にたくさんありますが、例のごとく答えはありません。
これから紹介するのは私個人の考え方なので、参考程度に見てください。
「フレームワーク」ってのは、便利な反面落とし穴でもあります。
使う人のほとんどが、なぜそうすると良いのかを考えず思考停止してるからです。
なので、今回は、フレームワークではなく考え方を紹介します。
一文目は読む人にとってのタイトル

最初の文章は結論から述べよう。
この認識を持っている人は多いと思います。
もう一つ認識として持って欲しいのは「最初の文章が、本のタイトルのような役割を果たす」という事。
ESを読む(あるいは面接をする)選考官は、このタイトル(第一文)を前提に続きを読みます。
「このガクチカのタイトルはこれだよ~!分かった~?」とお知らせしましょう。
結論ファーストの認識だけだと、どうも長くなりすぎてしまったり、本文とズレてしまう人が多いので、「第一文はタイトルだ」という視点も持ってみてください。
第二文で情景を伝える

ここでは、どんな状況や環境で頑張ったのか、最小限かつ丁寧に伝えます。
登場人物やあらすじの紹介みたいなイメージです。
なんの店で、どのくらいの規模で働いていたのか。
みんなの目標は何だったのか。
当時どのような状況だったのか。
これらを事前に伝える事で、読む人は鮮明なイメージを持って文章を理解することが出来ます。
長くなる場合は2つに分けて伝えましょう。
組織の課題や目標までの困難
前項でも少し触れている「どんな状況だったのか(組織の課題、目標までの困難)」
皆さんは、比較的スムーズに課題や困難に取り組み、スムーズに解決しているイメージです。
まず、どんな想いでこれらのマイナス要因に取り組んだのかを書くと良いかもしれません。
この感情を通して、「入社後も課題や困難に主体的に取り組む自分」をアピール出来ます。
文字数の問題で書けなかった場合は、面接で問われる可能性が残ります。
⇒「なぜその困難に取り組んだの?」
その後具体的説明でテーマを伝える
ここからの文章は本当に人によるので解説しようがありませんが。。。
メインテーマが伝わるように書くことはもちろん
「自ら」という言葉で主体性を示したり、他者との関わり方でリーダーシップを示したりする事で、一文一文に意図のある無駄のない文章が組み立てられます。
リーダーシップや主体性などは、言わずとも持ってますよ感をアピールするイメージです。
最後の文でハンバーガーを意識

突然ハンバーガーが出てきて戸惑ってるかも知れませんが、大まじめです。
ハンバーガーって、一番上と下が同じパンですよね。
ESも同様に、一番上(結論)と一番下が同じ内容である事を理想と考えていました。
第一文では、まだ文章を書いていないので少し抽象的です。
最終文では、全文章を踏まえたうえでより具体的なまとめの役割をイメージすることで、「要するに私はこれが伝えたかったんだよ」と綺麗に締めることが出来ます。
一般的にはここに感想や学んだ事を書くみたいですが、結局これが原因で「最初と最後で言ってることが違う」「結局何が言いたかったのか分からん」が生まれてしまう気もします。
まとめだろうが感想だろうが何でもいいので、文頭のタイトルを具体化した総まとめをイメージするといいかもしれません。
自己添削をしよう

一旦このようにして出来上がったあなたの最高のガクチカは、読む人にとって最高である保証はありません。
数時間、もしくは1日くらい寝かせた後、自分で添削してみましょう。
ここでは、その時に注意すべき要素をいくつか列挙します。
語尾の重複を避ける

ありがちなのが、「~ました。~ました。」のような語尾の修復。
このままだと、文章に抑揚もなく若干稚拙な印象を与えてしまいます。
倒置法などを駆使して、なんとか語尾をズレす意識を持って整えましょう。
『原因として、○○が考えられました。そこで私は△△をしました。』
⇒『私が当時原因として考えたのは○○です。そこで△△に取り組みました。』
敬語表現だと重複しやすい傾向にあったので、私は言い切り表現にしていました。
以下に私がよく使っていた語尾レパートリーを書いておきます。
難しく考えず、この中のどれかに着地する文章にすれば何とかなるはずです。
~だ。~である。~した。~と感じた。考えた。~であった。
主語の変化をしっかり伝えよう

ES基礎編でも再三申し上げましたが、ESで重要なのは読む人への思いやりです。
『1文目で結論(タイトル)を示し、2文目の状況説明で具体的イメージを湧かせてあげる』のもその一環ですが
その他よくありがちなミスとして、主語が変わったのか変わってないのかが分からないケースがあります。
(例)
「私が学生時代力を入れたことは、○○の支援活動です。当時の課題は人手不足でした。」⇒人手不足なのは支援側の組織?支援される側の組織?
主語が迷子になると、文章は一気に読みづらくなります。
何千枚ものESを読む人事が、一枚の読みづらいESを読み返す可能性は低いと考えるのが妥当でしょう。
対策として文頭の主語や指示語、接続語を駆使し、読む人が付いて来れる文章にこだわってみてください。
文章を切り離そう

書きたい事を一気に書いた結果、1文が3行くらい続いてしまうのもありがちなケースです。
一般的に、文章を読む人は句読点(。や、)の間を一気にインプットします。
1文章があまりに長いと、一回のインプット量が多くなり読む人は疲れますよね。
- 自分が読むときに息継ぎをしそうな部分に「、」を置く。
- 3行以上の文章は2つに分ける
という意識のもと、整理してみてください。
同様の理由から、「、」の使い過ぎも注意です
文字数を調整しよう
文字数調整で重要なのは「優先順位」です。
事実>感情で考えましょう。
200字は事実ベース
(⇒故に面接では感情面を掘られる可能性を想定)
300字以上くらいからは感情も
(⇒面接用にその人間性の起源や入社後どう活きるかを準備)
みたいに私は考えていました。
事実が無いととりあえず文章が成り立たなくなるので、ここから死守しましょう。
結論⇒(状況)⇒課題⇒(仮説や目標)⇒対策⇒結果⇒(まとめ)
みたいな感じで、大体200~300字が埋まる印象です。
300字以上の場合は、感情(あなたらしさ)を入れていきます。
感情を入れる理由はESの書き方を参照してください。
何故サークルやバイトをしていたのか。
課題に取り組む際の想い。
課題に取り組む中でのモチベーション。
これらを書くことで、あなたらしさや入社後も頑張れる事を示せます。
これが書けなかった場合は、言語化して面接に備えましょう。
ガクチカの書き方まとめ
以上となります。
大変長くなりましたが、本当はもっと書きたいくらいです。
今までのあなたは「ガクチカを書くことが目的化」していたから、文字数が削れなかったり、思うように通らなかったりしたのではないでしょうか?
「企業のニーズ」を考え、「読む人への思いやり」を忘れず、「あなたらしさ」を「必要な分だけ」書くことによって、内容だけでなく人間性(テーマ)まで明確に伝わるESを書くことが出来ます。
- メインテーマを伝える事を意識し、文章を作っていく
- 文中の行動を通して、サブテーマもアピール
- ・読む人目線で仕上げる
ガクチカで苦労している方は、一度だけこの記事を参考に作ってみてください。
この記事が答えではないので、自分のやり方と違うからといって焦ったりする必要もありませんからね。
自信が無かったり、中々通過しない場合の武器として、使ってやってください。
この視点を持って自己分析をしてみると、また違った深みがでますよ。