本サイトでは、基礎編と実践編に分けてグループディスカッションの解説をしてきました。
リーダーじゃなくても、発表しなくても、十分通過は望める事がご理解いただけましたでしょうか?
まだ読んでない!って方は、こちらから先に見ていただけると幸いです。
では、上記2つで得た知見を具体的にどう使い、GDを進めていけばいいのか?
実際に大手企業で過去に出題されたGDのお題を使って考えていましょう。
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目次
無人島に何か一つ持っていくとしたら?
お題はこちらです。
「無人島に何か一つ持っていけるとしたら何を持っていくかを、みなさんで話し合って決めてください。(30分)」
とっつきやすくて簡単そうですね!
せっかくですから、あなただったらどうするかを考えてみましょう。
5~6人でこのお題に取り組む際、一番初めに何を話しますか?
自分なりに結論と理由を用意し、以降の文章に臨んでください。
ありがちなケース
まずはこの手のお題でありがちなケースを考えましょう。
ご自身が考えた議論への取り組み方は、以下の2つに当てはまっていませんか?
持ってく物から考えてしまう
まずは皆さんで案を出していきましょうか!
一番まずいというか、後々困るのがこの進め方です。
例えば先にアイデア出しから初めて「ナイフ」「水」「ロープ」「ライター」「植物図鑑」の案が出たとしましょう。
何を根拠に、どうやって一つに絞りますか?
この記事を読んでる人によっては、ナイフが重要だと思う人もいれば、水が重要だと思ってる人もいるはずです。
ナイフでしょ!身を守るかもしれないし!
いやいや水のまないと生きていけないじゃんw
とりあえず植物図鑑は無いわwww
これ、どうやって折り合いつけますか?
これらの根本的な問題は「一人ひとりが好き勝手な無人島をイメージしている」というところにあります。
つまり、認識(それぞれが想像しているイメージ)を合わせる必要があるんです。
ざっくり認識を合わせてしまう
じゃあまず認識を合わせましょう!無人島ってどんなイメージですか?
黄金伝説に出てくるあの感じですかね…森があって…
そうですよね!自分もです!
無人島についての認識を合わせようとしたのはとても素晴らしいです。
しかし、これもざっくり認識を合わせてるだけなんですよね。
無人島って何をイメージしてる?
そもそも、無人島ってどんな大きさですか?
川は流れてる?
動物はいる?
防空壕や廃墟は?
黄金伝説という番組は、サバイバルそのもの以外にも「その無人島ならではの発見」が面白い番組でしたよね。
みんなが同じ黄金伝説を見たことがあっても、見た回によってはイメージが大きく変わるんです。
同じ言葉でも、それにどう触れてきたかでイメージが大きく変わるんです。
何故、どのくらい無人島に行く?
目的や期間によって、必要な物も変わってきます。
寒いの?暑いの?
ずっといるの?1週間だけ?
自給自足が目的?脱出が目的?
ここもみんなで「話し合う上で」決めないと、進みませんよね。
一つの言葉のイメージをしっかり合わせよう
話し合いの結果…
無人島には森と川、洞窟がある。
動物も小動物くらいなら存在している。
期間は1週間、目的は自給自足(生存)。
気候は穏やかで過ごしやすい。
という認識で合意が取れたとしましょう。
この状態で冒頭で出たアイデアを考えてみてください。
(本来はここで初めてアイデア出しに行きたい笑)
- ナイフ・・・食用の動物を倒してさばく。
- 水・・・川があるから大丈夫そう?
- ロープ・・・いかだや家作りに必要?洞窟あるし脱出が目的だからいいか?最悪植物のツタが使えそう。
- ライター・・・捕まえた動物を焼く用?寒くないから防寒はいらないか?
- 植物図鑑・・・無人島にある植物が食べれるかを知れる。でも肉もあるし?
前提をもとに優先順位がついてきますよね。
合わせた定義や認識でアイデアが切れていく
前項で5個のアイデアから水とロープが切れましたね。
5分の3に出来たのも、みんなで認識を合わせる事が出来たからです。
さぁ、ここから(ナイフ・ライター・図鑑)から考えていきましょう。
前提として、GDに答えはありませんから、ここまでも、ここからも、参考程度のものです。
なぜこうするのか。こうしなかったらどうなるのか。を考えながら読んでください。
ナイフ
小動物をさばいたりできるけど、それ生で食う?
焼かないとじゃない?⇒火との両立が必要?
代用は?⇒木を使う?どうやってナイフ形にする?
ライター
暖を取る必要が無いから、メインは焼く事?
でも、皮も剥がずに動物焼くの?⇒ナイフとの両立が必要?
代用は?⇒火起こし?やり方分かる?
植物図鑑
肉を食べないなら、植物オンリーになるし意外と必要?
結論は人それぞれ
答えがありませんから、結論は人それぞれです。
火とナイフがないと動物は食べられないから、植物図鑑にするかもれない。
火おこしの方法を覚えていく(笑)なら、ナイフかもしれない。
これは、前提とメンバー次第で柔軟に決める事です。
そして、何かしらの結論が出た時にはもう合否は付いてると思います。
どれだけ要素を分解し、各々のイメージを合わせられたか。
その都度合意を取って、みんなの発言機会を増やせたか。
あなたがチームのアウトプット最大化のために出来たことは、ジャッジされ終えているでしょう。
フレームワーク病になってない?
今回の記事で例に挙げた部分は、フレームワークを勉強しすぎた人こそ引っ掛かりやすいいめーじです。
5W1Hとか、前提確認とか、本やサイトで得た「手段」が目的化してしまう。
「何のためにそれを使うのか」
「それを知らない人は付いて来れるのか」
シンプルかつ本質的に考える癖をつけると良いかもしれません。
今回はあくまでその一例です。
『ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく穴である』
マーケティング関係の言葉ですが、就活でも示唆の多い格言だと思います。
GDは場数で上達する
GD対策の基礎編と実践編、そしてこの記事でお伝えしてきた考え方を実行できれば、どんなにGDに自信がない人でもレベルアップできるはずです。
しかし、頭では分かっていても実践出来るかは別問題。
実際の選考で本領を発揮するためにも、とにかく回数をこなして欲しいと思います。
まとめ
以上、大変初歩的な部分ではありますが、多くの方がこぼしてしまう「言葉の認識合わせ」についての記事でした。
何度も言いますが、GDにはルールも答えもありません。
ルールが無いからこそ、自由にやったら終わらないから、GD内でのルール(言葉の定義や前提の確認)が必要。
答えがないからこそ、アウトプット(結論)以上にプロセスで差がつく。
シンプルに考え、実践できれば新しい何かが見えるのではないでしょうか?
今回この記事でお話しした事を踏まえ、もう一度GDの基礎編に戻って頂き、自分なりの解釈や考えを持ってGDに臨んでみてください。